鑑賞した日付:2020年10月21日
「鬼滅の刃」  作者:吾峠呼世晴
★★
総合点:59点/100点

最近、続編の劇場版が公開されて、また話題になっていてタイムリーなので、先にこのレビューをUPしておく。ちなみにその劇場版はまだ見ていない。

 鑑賞したのはアニメ全26話。大ブームのこの作品、やっと見終わった。
基本的に、やっぱり少年バトルマンガでそれ以上でもそれ以下でもないと感じた。

 だとしたらなぜこんなに大ブームになったのか、ちょっと分かりかねる…。
確かに、悪くもないけどそれほど良くも無いように思ったのだが…。あくまでも子供向けの、典型的な少年バトルマンガで、NARUTOやるろうに剣心などとの違いを感じなかった。

 もう少し、内容が深いとか舞台設定が凝っているとか、考察に値するような部分があれば尚良かった様に思うが、御都合主義が実に少年漫画的でとにかく浅い。大人が真面目に良し悪しを語るような作品では無かった様に思うのだが…。(大体、なんで妹の禰豆子とはあまり意思の疎通がとれないのに他の鬼は感情豊かにペラペラと喋るんだ?)

 善逸の典型的なオタク漫画的なギャグパートとか、ちょっとオジサン的には見ていて辛かった。サブいというか。つか意外とギャグパートはいらないストーリーな気がする。もっと徹底的にシリアスな怖い話にした方が良かったと思う。

 まあ、社会現象にまでなったくらい、大大大ブームになった超人気作品なので、その話題やキャラの話に付いていくためだけに見るべき作品なのかもしれない。やっぱり内容の良し悪しではなく、人気になった「運」があった作品とも言えるし、もう少し辛辣に言うなら、これもゴリ押しの一種というか、プロモーションの勝利だったのでは…?とか言うと、ファンやその筋に怒られるかもしれないけど…。

面白く無い事もないけど、こんな大ヒットになるほど、それほど面白くもなかったよ…。と。
あくまでも、ただの少年漫画だよなぁ…。と。

 しいて言うなら、「兄弟型」から来る性格等が、ちょっと裏のテーマみたいになっていてそれが良かったかなと。長男特有の性格に少しだけ触れている様な気もしないでもなかったところが少し良かったかなと。(それにしても浅いと思うが…。)きっとこの作者は「長男」の精神性が好きなんだろうな…という感じが伝わってきた。また、そういう「お兄ちゃん」が好きな腐女子や喪女や鬼女に異常なまでに好かれた作品なのかもしれない…。とか言うとまた怒られそうだけど…w。

 NARUTOやハンターハンターが好きで好きでたまらないっ!という人には良いと思うが、というか、そういう層に刺さった作品なのだと思う。実際、NARUTOやハンターハンターも大人気作品なわけだし。
 なので個人的な見解としては、少なくとも大人が見て興奮するようなものでは無い…と。
少年漫画雑誌に連載されていた作品なので当然と言えば勿論当然なのだが、あまりの大ブームに「何かあるのか?」と思って見てみたら別になにも無い普通の少年バトルマンガだった…といった感じか。
いくら大ブームになったからと言って、妖怪ウォッチと同じで大人が見て良さを感じる様なものでは無いといったところか。あくまでも「子供に大人気!」ということなのかな?と。

いや、やっぱりこういうモノが異常に流行ったのは世間がおかしいのだと思う。
これは一種のヒステリーだと思う。これ以上言うと作品の解説や感想では無くなってしまうが…、
なんでもいいから何か流行るものを世の中が異常なまでに求めていたというところに社会病質的なものを感じる。きっと作者ですら、こんなに流行ったのはおかしいと思っているはずだ。それは少し前に話題になった「100日後に死ぬワニ…」にも言えることだが、世の中が、なんでもいいからそういうキッカケを求めすぎている変な世の中になっているということを感じる。

「俺は俺、世間は世間」と完全に分けて考えることが出来る僕の様な、自分の価値基準を重んじる人間はこういうのにはひっかからない。だが、以前、ポプテピピックの所でも書いたが、そういう人間は意外と少ない。逆に言えば、自分の価値基準がハッキリしていない様な輩が世の中には多いのだ。だからそういう人間がこういうブームに簡単に洗脳される様に踊らされてブームになるのだろうと思った。

なんでもいいからのめり込める様な物を、世の中が求めすぎている時というのは、要するに世の中全体に、内に籠った様な鬱憤が溜まっている時でもあるんだろうなと、思う。思った。

普通の、子供向けのバトル漫画だぜ…。 要するに幼稚。

それにしても、早見沙織と櫻井孝宏の定番コンビみたいのが出てきた辺りで、なんかあまりにも典型的過ぎてちょっとイラッとしたというかムカついたw。というか声優がかなり豪華で定番の人気声優をたくさん使っている作品でもある。

ああ、炭次郎は9Sの人か…w。