四畳半神話大系 (角川文庫)
森見 登美彦
KADOKAWA
2012-09-01


鑑賞した日付:2019年2月1日
「四畳半神話大系」  作者:森見 登美彦
★★★★
総合点:84点/100点

 これ以下、機関銃の様な早口で、このアニメのセリフ同様、小説を朗読している様に読んでもらいたいのだが…、フジテレビ、ノイタミナの中でも評判が良かった作品。

 とにかく語り口というかセリフ回しが独特で面白い。昔の小説を朗読しているような特殊なアニメ。
大正時代の大学生みたいな独特なセリフ回しは少しオタク臭い気はするが、その語り口や大正ロマンみたいな価値観で進むストーリーがこのアニメの肝なのでそれはいい。
 内容も、自分の身の周りの小さな出来事だけで展開される純文学的で箱庭的世界観だが、パラレルワールドの様な不思議な展開の内容でもあるのでそれも良かった。
 上記の通り、小さな世界観での話なので、途中、面白味に欠ける様な気がして見ていたが、最後にちょっとしたSFというか自問自答のミステリーみたいになっていったので尚良かった。

 こういうのでも良いんだなと思わされるような良さもあった。
 小説を書きたい、特に古風な小説を書きたいと思っているような人には、ヒントになる様な部分もあると思う。
 小津や主人公のキャラクターにはあまり魅力が無いが、樋口や明石さんには少しキャラクター性というか面白味という魅力があって良かった。

やくしまるえつこのエンディング曲も無類である。