100万円の女たち

鑑賞した日付:2016年10月2日頃
「100万円の女たち」  作者:青野春秋
★★★★★
総合点:98点/100点

すばらしい。なんだか凄く僕好みの話で気にいった!
とある小説家が何故か5人の女性に大金をもらいながら同棲する話。ミステリー。

主人公の小説家の男の家に、ある日5人の女がやってきた。
しかもその女たちはそれぞれ毎月100万円を男に問答無用で支払ってくる。
男がその理由を女たちに聞くも、女たちはそれを答えないというルールでここに集まってきているので、誰も本当の事を教えてくれない。夢の様な話でもあるが、何故そんなことになっているのか全く分からない主人公同様、読者も全く分からず、全体的に超ラッキーな楽園的でハッピーなハレムを描いたラブコメ…ではなく、非常に重くて陰鬱な雰囲気のミステリー作品である。
この作者の「ヘタウマ」みたいな絵もその不思議で暗い雰囲気を醸し出していて、“何かある…”と思わせる強い求心力になっている様に思った。


:ちょっとだけネタバレ:
暫く読み進めていて、最初の一人が殺された時点で、一反読むのを止めて、この先、どういう展開があり得るだろうか…?犯人は誰だろうか…?そしてそもそもなぜ女たちは100万円も払って主人公の家に住んでいるのか…?という、それらの謎について、自分なりに推理してみたのだけれど、そこで僕が思った通りの展開、結末、犯人であった。つまりオチが予測出来てしまったのだが、それでもそんなことはまったく問題なく、全体的に面白い話だと思った。故にこの高得点である。


近年稀に見る僕の中でのヒット。
とにかくもう最高に、メチャクチャ良かった。