AKIRA
神藤一弘
2020-05-01


2019年2月4日頃、記載。
「アキラ」  作者:大友克洋
★★★★
総合点:78点/100点

 初めて鑑賞したのは1992年くらいの時だったと思う。以下、2019-2-4日現在の、AKIRAに対する感想。

 最初に見た時はそれほど良い作品と思わなかったが、後からジワジワ思い出して良いと思えるような作品。だが、現在、評価されているほど、それほど良い作品というわけでは無かった気がする。
 初見ではなかなか意味が分からなくて、「?」という感じだった。これは原作コミックの方もそう。ちょっと難しいんだよね。その哲学やら世界観やら色々なところが。
 ところがその後世界的に人気が出て、むしろ外国での方が人気が出た作品だと思う。人気の逆輸入みたいになった作品かと。今やジャパニメーションと言えばこの「AKIRA」というくらいだ。

 色々と先駆な技術や方式で作られた作品だけに、それをすべて語っていったらキリが無いくらい。
 それでも一つ、気になったのは、日本のアニメにしては珍しくフルアニメーション?で作られた作品であるという事と、セリフと口の動きを合わせるという試みで全編が作られているということ。だがこれは失敗だったと思う。今でも大友作品はその様に作られている様だが、これは今見てもやはりおかしいと思う。外国人が英語を話すときならまだしも、日本人が日本語をしゃべる時はそれほど口を開けて喋るものではないからだ。だから非常に不自然に映る。

 良い部分も悪い分も沢山あって、特にイイ部分がクセになるほどカッコイイ。
 芸能山城組のサントラも斬新で素晴らしく、インターネットなど全く普及していない当時、そのCDを探して東京中のレコードショップを探し回ったのを思い出す。んで結局、高田馬場のCDショップに置いてあるのを見つけて買った記憶がある。が、このサントラも、凝り過ぎと言うか、セリフが入ったものしか殆ど出回っておらず、サントラの試みとしては斬新だがサントラとしてはあまり良く無かった気がする。それにしても、芸能山城組の哲学やら概念についても当時さんざん研究した。

 そして、この作品の最も特筆すべき点は、いや、少なくとも僕が最も興味が引かれる部分は、
世界で初めて「制作委員会方式」にて作られた作品であるということ。そしてそのことも世界的な影響を与えていると思う。
 この「制作委員会方式がおいしい!」ということで、今ではハリウッド映画等もこの制作委員会方式で作られる様になったと聞く。この制作委員会方式があれば、どうしてローランド・エメリッヒ監督が毎回毎回、超大作を大コケさせてもまた次の超大作作品を作らせて貰えているか?といったところにまで理解が進むw。

 僕の記憶が正しければ、「アキラ」で初めて「アキラ制作委員会」という言葉がテロップに出ていたのを見て、「うわっ、なんだか分からないけどカッコいい…」と思ったのが最初。
 今、ウィキペディアで調べてみると、僕の記憶もなかなかのもので、この方式で作られた映画は「アキラ」と「風の谷のナウシカ」がほぼ最初なのだそうだ。(でもアキラとナウシカの時期はだいぶ違うような気がするが…。)

 なのでそういう諸々、歴史的な意味があって凄い作品だと思います。
 とても語りつくせないし、とても語りつくせないような深い部分があるから大ヒットしたのだと思います。

 僕個人としては、AKIRAはそんなに良いとは今でも思わないんだけど、海外での人気に押されて「お…おぅ…、アキラは…確かに面白いよな…。」みたいな感じw。今始めて見て点数をつけるなら、結局意味わかんないし78点とかかな。んでその後何年もかけてジワジワと点数があがっていくみたいな感じ。




AKIRA
神藤一弘
2020-05-01