鑑賞した日付:2015/02/15
「おくりびと」  作者:滝田洋二郎
★★★★
総合点:89点/100点

辛口に言って星4つ。
全体的に全く問題なく、★5つ与えても良い、優れた作品だった。

星を一つ欠いた理由は、見て為になる映画でもないし、特別に面白いシーンがあるわけでもないので★4つとした。ただ、“良質な日本映画”という意味で、全く問題なく、★5つに相当すると言っても過言ではないだろう。

昨今の日本映画にありがちな、もっとお茶らけた「笑い」の映画かと思ったら、
実に素朴だけど純粋なドラマがしっかりと描き込まれた様な、そんな良作だった。

それぞれの役者が映える良いドラマだった様にも思う。
しいて言うなら、山崎努がオーバーキルというかw、何かやってくれそうなエキセントリックな雰囲気が出過ぎていてそれが勿体ないというかw、言うなれば“オーバーキャスティング”だったように思う。

山崎努が演じた役どころはもっと個性のない地味な役者でも十分良かったと思う。
例えば、火葬場の職員として出ていた笹野高史でもOKな役処だと思う。
山崎努が演じたことによって、尚更面白く、全体の緊張感にも繋がったとは思うが…。
海外で例えるなら、ゲーリー・オールドマンに普通の一般人役を配役する様な感じかw?

とにかく、とても良い映画だった。

アメリカでのアカデミー賞外国語映画賞に輝いたのは純粋に凄いし、そう評価されたのも納得の良作。
外国人にとっては、「銭湯」などが出てきて実にエキゾチックな絵に映ったろうし、日本の田舎(出てくる人が実はみんな知り合いだったりする人間関係の狭さ)やその日本的な牧歌的風景(川縁や山などの映像)も新鮮に映ったことであろう。