光るあるうちに光の中を歩め

鑑賞した日付:2013年11月4日頃
「光あるうち光の中を歩め」  作者:レフ・トルストイ
★★★★★
総合点:94点/100点

古代ローマで、ユリウスとパンフィリウスという二人の若者のそれぞれの人生や考え方を解いた作品。

ロシアの文豪トルストイの得意の古代キリスト教の教えを使った人生論的なお話。
哲学家みたいな有名な思想家で政治的な影響力も持っていた人の作品なので、難しい話のように思う人もいるかもしれないが、全然そんなことはない。むしろ分かりやすい童話みたいなお話。それがトルストイの持ち味でもある。

この作品に関しては、何故か本国や世界的にはあまり支持されておらず、何故か日本でだけ非常に評価が高い作品なのだそうな。



【ネタバレ】
ユリウスとパンフィリウスの対象的な人生を二つ描き、「さて、どちらの人生の方が幸せと言えるでしょうか?」みたいな内容で、最終的にユリウスはパンフィリウスと同じように暮らすことができなかった後悔でパンフィリウスの元へ行くというところで物語は終わる。そういう意味では、トルストイの代表作の一つである「イワンのバカ」に似ている。(アネクドートっていうのかな?「イワンのバカ」も非常におススメです。)


ちょっと…と言うか、かなり教訓めいたお話で説教臭く感じる人もいるかもしれないが、それを単純な形で書いているのが良かったと思う。

何とも言えない良さを感じた。