鑑賞した日付:2010年11月25日
「イングロリアス・バスターズ」  作者:クエンティン・タランティーノ
★★★
総合点:76点/100点

元々、僕はパルプフィクションやレザボア・ドッグスなんかを見て、タランティーノの大ファンになったのだが、結局その後もずっと続く事になるタランティーノのオタクなグロ信仰に、さすがにもうついていけません。付き合いきれません。

ただ、「キル・ビル」についても言えるのだけれど、
流石タランティーノと言うべきか、幾つか見所とか、良さはあるんだよね。
そして、映画を見終わってしばらくした後に、じわじわと思い出して良い・・と思えるような、そういう良さを残していたりする。それは流石タランティーノならでは・・と言う感じもある。

ただ・・・・、
それにしてもこの映画は中身が無さ過ぎる。
半分冗談で作られたような、これもタランティーノ特有のユーモアで、元々コミカルに作られたような部分もあるが、これはもっと本格的に史実に基づいてシリアスに作ったりした方が良かったと思う。
(たしか・・・、ヒトラー暗殺計画や、劇場が燃え落ちたと言う事件は実際にあったと思ったが)

これまで、タランティーノの映画は脚本が精密で面白いと言うような印象があったが、この映画はタランティーノのそういう良さが無くなっている様な気がした。あまりにも安易なところが目立ったように思う。

緊迫した探り合いの様な、駆け引きの会話シーンなどは、これもタランティーノならではの非常に緊迫した、嫌な汗をかかせるような、見事な心理戦であるが、ただ、なんて言うか・・・、
そうさせようと思ってあえてそうしているという、言うなれば作者の“ねらい”が見えてしまっているようで、ちょっと冷めて見てしまったところもありました。
「どうだ! 手に汗握るだろう・・!?」ていう。
実はこういった会話、「手に汗握る心理戦」というのも、タランティーノが以前から得意とするシーンなので、それ自体は別に良いが・・・。
(例:パルプフィクションのジュールス演説シーンのちょっと前からその後の射殺。
キル・ビル、またはレザボアドッグス全編。など。)

とにかくタラちゃんのグロ趣味を見せつけられるのはもういいです。
お断りします。

本当に気持ち悪いです。ありがとうございました。