うつくしい子ども (文春文庫)
石田 衣良
文藝春秋
2001-12-07


鑑賞した日付:2010年11月2日頃
「うつくしい子ども」  作者:石田衣良

総合点:5点/100点

日本の作家さんだしあまり悪くは言いたくなかったんだけど…、
個人的にはこの作品に関して全然良さが分からなかった。


つまらないテーマをつまらない視点でつまらない切り口、手法で書き上げた凡作だと思う。
何故、このテーマがつまらないと思うかというと、
あのただでさえ衝撃的な「酒鬼薔薇事件」をテーマにしたら、面白そうな話が書けるだろうな・・と、
思うこと自体が安直というか、凡人でもそれくらいの所までは誰でも思いつくのではなかろうか?
だからそういう意味で、誰でも思い付くつまらないテーマだと思いました。

僕は音楽をずっとやってきたので、以前からそれについては思っていたが、やっぱり才能の有る無しと、成功するしないはまったく無関係であると言うこと。元々この作者には、どことなく、そしてそこはかとなく、例えるなら「電通マン」の様な匂いがして・・・。才能云々よりも、色々とメディアに“ウケ”が良いというか・・・。そんなところを感じていた。

このお話は、いわゆる「酒鬼薔薇事件」をモチーフにしていて、その「犯人の兄」視点で書かれた物語なのだが、とにかくサラリと書きすぎている。

こんな事件があったんですよね~
それで、僕はその犯人の実の兄なんですよね~
だから苛めとかもあってやっぱり~大変なんですよね~
でも~僕は僕なりに調べてみようと思うんですよね~

(著者の声で脳内再生してみてください。)

そんな感じの小説。
実につまらない。

しかも最後のオチは・・・ある意味“夢オチ”くらい安易で安直。
少しでも脳みそがあるストーリー作家なら絶対にやってはイケナイというくらい、御法度な解決策を最後に持ってきている。信じられないくらい安直なラスト。もう最後に書いてて疲れちゃったんかな・・?と思ってしまった。

ネタバレすると、

警官のお父さんが出てきて、ある重要人物をバキューンって撃っちゃって、自分もバキューンって自殺してめでたしめでたし。全てを無かった事に!!というような話。
プロの作家ならプロの作家ほど、いくらなんでもそれは無いでしょ・・。ていうオチでした。



それならウィキペディアで、実際に酒鬼薔薇事件について調べて、そこに書いてあること(その犯人の少年の実際の供述)を読んだほうがよっぽど面白い・・・と言ったら語弊があるかもしれないが、まあ、読み物としては読み応えがある・・というか、衝撃的です。

僕はこの著者の代表作である「池袋ウエストゲートパーク(訳してIWGP)」の方はまだ読んでいないけれど、なんでも、とあるレビューによると「中二病」のお話との事なので、なるほど、この作者の作風や雰囲気、筆力、力量みたいなものが大体分かってきた様な気がする。つまり、僕には合いそうもない。

他にも言いたいことは山ほどあって、突っ込みどころ満載だが、キリがないのでこのくらいでやめておく。
とにかく文章やストーリー題材、表現の仕方など、全てにおいて、サラサラサラサラサラッサラ。
サラリとしすぎてサラサラリン!!
サラサラヘアーを感じました。

うつくしい子ども (文春文庫)
石田 衣良
文藝春秋
2001-12-07