鑑賞した日付:2019年03月28日
「ケムリクサ」  作者:たつき
★★★★★
総合点:99点/100点

アニメ「けものフレンズ」のたつき監督が「けもフレ」を降板させられた後の第一弾で発表されたアニメ。
この方は元々自主制作を会社にしたようなところもある人で、その自主制作で元々作ってあった作品をちゃんとTVシリーズとして清書し直したのがこの作品なのかな?

ずっと夜のシーンが続くし、最初の1~3話位まで、まったく意味不明というか謎しかない展開で、こういうアニメで最初の数話があまり面白く無いというのは致命的というか、お客が離れてしまう重要な要因になると思うのだけど、我慢して5話位まで見ると徐々に世界観が見えてきて面白くなってくる。しかし逆に言えば、5話位まで、会話の中だけで登場するキャラが沢山いすぎて把握しづらい。視聴者が除け者・おいてけぼりにされている様な気もしてくる。

6話位までくると、ほんわかした雰囲気のリツ、リン、リナ達の強い団結力みたいなものも感じる様になり、そういう小さな集団が目的の為に進みサバイバルしているような雰囲気が伝わってきて良くなってくる。

謎が多すぎる謎だらけの設定の世界観の話だが、その謎の解明まで時間がかかりすぎている様な気もする。6話まで見ても分からないことだらけ。それが少しストレスになる。

アマゾンのレビューに「一昔前のラノベの主人公みたいな男がキツい」という評があったが、それについてはまさにその通り。優柔不断でおどおどした主人公がキモ過ぎる。その正体もずっとわからないままだし。…と思っていたけど、最後の方まで見るとそんなイメージも変わってくる。

で、10話まで見ればもう首ったけ。
でも11話から最終回までちょっと急展開すぎて説明が足りな過ぎなENDになっている様な気が…。
まあ、続編に繋げるという可能性もあるし、後からゆっくり考察すればいいのだろう。
続編を作らないのなら謎を謎のままにした投げっぱなしジャーマンすぎる。
とりあえず現時点では殆どの謎は謎のまま。

:ネタバレ:



凄く細かな演出の部分の話だけど、最後のCパートの部分を終えてからED曲が流れた方が良かったんじゃないかな…?という風にも思ったけどどうなんだろう?「わかば… ●●だ!」でテロリロッテロリロンッ♪って。それじゃチープな感じになっちゃうかな?これは蛇足でしたすみません。





結構、意地悪く貶している様な感想を書いてきたけど、全体として素晴らしく、いや、素晴らしすぎて本当に素晴らしい作品だと思ったという事を誤解無きよう書いておく。

それにしても、内容は「けものフレンズ」と非常に被るのだが、この「たつき監督」の作品はディストピアすら崩壊した後の無人のユートピアみたいなものを描くのが上手いなと。そういう所にゾクゾクするというか、痺れるし憧れる。こうしてみると、けものフレンズも結構SFだったんだなと。
なるほど、こういうのが「たつき監督」の芸風というかタッチなんだなと。

この物語の一つのテーマが「好きなことをする」だったけれど、たつき監督は起きている時間は全てCG制作に費やしているという人らしく、やっぱりそういう人が作るモノって凄く良いな…と思いました。他にも書きたいことが色々あるけどこれくらいで。

始めてこういうアニメ作品をリアルタイムで見たかも。


今ならまだ(確か来週の(金)まで?)アマプラで無料で全て見れます。
というわけでボクと契約してアマゾンプライム会員になってよ! きゅっぷい